デスマーチプロジェクト

今回のプロジェクトはまさにデスマーチでした。7月から入社した会社で最初に投入された現場は通勤時間が片道1.5時間ほどの場所にあるとあるシステム開発の現場でした。当初は7月で終わる案件に手伝い程度で参画するとのことだったのですが、携わってみてびっくり、進捗管理はできていないし役割もわからないし、スケジュールも明確でないし…何がどうなってるのかわからないくらい混沌としていました。

まぁ、デスマーチプロジェクトはおおむねこのような感じなのでしょう。しかし、そうはいっても私もここまで混沌としているプロジェクトははじめてだったので、さすがに面食らいましたが…。プロジェクトの概要はこんなところですが、今回はデスマーチプロジェクトの運営とか管理とかそういった話ではなく、自分がデスマーチプロジェクトなど不幸な状況でくじけぬ心を維持するために役だったことを残したいと思います。

正直言って、入社したての小さな会社で、はじめて働く人たちばかりで、そのはじめて働く人はリーダー経験がなく現場について本来得られる情報も得られず結構参りました。日曜日以外はすべて朝から終電まで働き、最後は休みなく泊まりが入り…、今考えてもよく持ったと思います。

この頃の私には「スラムダンク」と「道は開ける」が心の支えでした。終電で自宅に帰り、風呂に入って就寝するまでのわずかな時間や日曜日にこれらの書籍を読みました。特に「道は開ける」は食い入るように読んだことを覚えています。

まず、スラムダンクからはチームで仕事をする場合のチームワークがどのような物かと言うこと、チームにおける役割分担の大切さを学びました。特に全体最適化のために自分がチームのなかでどのような役割をこなすべきかということや、コミュニケーションのタイミングと内容について大切さを学びました。モチベーションの管理はコミュニケーションからくると思いますが、デスマーチのような厳しい局面では、そのタイミングを逃すとチーム全体が一気にどん底に落ちてしまう可能性もあります。タイミングと内容がとても大切なのです。

また、「道は開ける」からは自分の心の弱さを克服する方法を学びました。「道は開ける」を読むことで、自分の境遇を「惨めな不幸」と考えることから「成功へのチャンス」と考えられるようになりました。これはとても簡単なことで、自分の状況についてある種の開き直りをすることで同じ問題について異なる視点から見ることができるようになるのです。

同じ事象について考え方を変える、正確には、かたくなに自分の状況を自分で悪く考えないようにするだけのことです。たったそれだけのことでこれほど目の前の問題が変わるのかと驚いたくらいです。

解決できない問題が取り組むべき課題に変わったところで、私は次のことを心がけました。

「ネガティブワードは口にしない」

「覚悟を決めて問題に集中する」

「問題を解決することを目的とする」

これらのことを心がけることで、デスマーチなプロジェクトの中で自分がやるべきことが明確になりまさに「道が開ける」ように感じました。

不思議なことですが、これらのマンガと書籍のおかげで、今回のプロジェクトを何とか乗り越えることができ自分も成長できたと感じています。

もし、何か行き詰まっているのなら手に取ってみると何かが変わるかもしれません。まさに私にとっては座右の書とも言うべき書籍です。