こんにちは。beaglesoftの真鍋です。なんだか昨日くらいから朝晩がとても寒くなってきたように感じます。
さて、私はお風呂で日経ビジネスを読むのが週間になっているのですが、昨日届いた日経ビジネスは面白すぎて長風呂してしまいました。のぼせそうな勢いでした…。
まだすべて読めていないのですが、興味のあった物から読んだ結果面白かった記事は次のものです。
- 米社主導の経営 消費者つかめず 日本マクドナルド株の売却打診
- ヤマト、「優遇措置」にもの申す 日本郵政、問われる「民間企業」のあり方
- 特集 日本が危ない 先送り経営と決別せよ
- PART1 危機編 ゾンビ企業を助け新産業を見殺す国 日本は資本主義国家と言えるのか
- PART2 インタビュー レガシーを全部壊そう ファーストリテイリング・柳井が激白
- PART8 解決編 エロマネーが支える「愉快ナル理想工場」異形の経営者の秘めた矜持
以下引用は日経ビジネス2016年1月11日号からです。
米社主導の経営 消費者つかめず 日本マクドナルド株の売却打診
マクドナルドの話は最近ネット上でいろいろと話題になっていましたが、その事実をつい確認できた感じでわかりやすかったです。アメリカでは、マクドのハンバーガーのトッピングなどを自分で選択して注文できるというのはとても楽しそうだと感じました。日本ではSubwayのサンドウィッチが近いイメージなのかな?
ヤマト、「優遇措置」にもの申す 日本郵政、問われる「民間企業」のあり方
こちらも昨年の新聞広告以来話題になってきました。私はヤマト運輸が好きなので、ヤマト頑張れ〜と安直に思っていたのですが、日本郵政には日本郵政の言い分もあるようで、どちらが正しいかはわかりませんでした。ただ、両サイドの意見をまとめて記載しているので感情はともかく状況は少しわかった気がします。
航空機などでの有線取り扱いについては、「有線搭載のための料金を支払っている。優先荷下ろしも、わずか数十分や1時間程度の違い」と説明を重ねる。
という内容を読むと、意識の違いって大きいよなぁと感じます。数十分から1時間と言うことは1日あたり何回荷下ろしするかによってはかなりのアドバンテージになると思います。詳しくはわかっていないのですが、その権利を購入できるかどうかが焦点になるわけで、コストを払っているからという話だとするとちょっとアンフェアな気がします。
特集 日本が危ない 先送り経営と決別せよ
この特集がとても面白かったです。正直、送られてきたパッケージを見たときには年明け早々危機感あおってるなぁと思ったのですが、内容は非常に示唆的でした。
PART1 危機編 ゾンビ企業を助け新産業を見殺す国 日本は資本主義国家と言えるのか
電気産業の国有化について、噂が絶えないシャープの液晶事業のことが書かれています。とても興味深いことは、
「格下だと思っていたホンハイの工場を見せられた時、シャープはもうとっくに抜かれとる、と悟った。しかしシャープの社員は自分たちが上だと信じ込んでいる。」 「漁師さんの話だと、鰯は弱いから水槽に入れても運ぶ途中でみんな死んでしまう。そこにアンコウを1匹放り込むと、食われまいと必死に逃げるから、店に着くまで生きとるそうや。ホンハイの出資は劇薬だが、ぼんやりしたシャープの社員がこれで目を覚ましてくれたらええ」
ホンハイとの業務提携は結局実現しなかったわけですが、そのような事情だったと言うことでとても驚きました。実質国有化されることの是非は一概には言えないと思いますが、このような雰囲気だったことは興味深いです。いまのシャープでは
「今度はお上が守ってくれるらしい」
という雰囲気があったそうです。うーん、親方日の丸ですね。
ここまでなら、良くある話だと思うのですが、この記事には続きがあります。
次に登場する話が、「ベンチャーに冷たい革新機構」でロボット開発のベンチャーであるシャフトが国内で資金援助を求めたけれども相手にしてもらえず最終的にGoogleに買収されたというはなしです。
シャープや東芝をはじめとする電気産業については数千億円程度の出資を行っている革新機構もベンチャー企業には数億円程度も出資しなかったことが書かれています。
「言っておくが、我々は民間のファンドだ。リターンを出さなくちゃならない。ヒト型ロボットに出す金はない」
革新機構がどこに出資するかは革新機構で決めればいい話だと思います。経営危機となっている会社の収益が上がる事業だけを集めて業界再編を行うことが儲かるなら、それも良いと思います。
一方で、最終的に買収することとなったGoogleはアンディー・ルービン副社長(当時)がやってきて3時間で買収を決断したということでした。アンディー・ルービンは言わずと知れたAndroidのパパですね。
投資話なので何が良くて何が悪いという話ではないと思いますが、結局は出資者の見識次第ということになります。そのような見識のない出資者が多い日本はやはりベンチャー企業にはつらい地域なのかもしれませんね。
PART2 インタビュー レガシーを全部壊そう ファーストリテイリング・柳井が激白
ファーストリテイリングの柳井会長兼社長が、レガシーについて話されています。最近私か感じていたことを言葉として話されているのでとても共感しながら読みました。特に共感したことは以下の点です。
- 最低賃金を1,000円に引き上げることをなどを政府が企業に投げかけていることについて、賃上げという目標から賃金の具体的な金額を明示することはまるで社会主義だ。
- 財界や業界団体が政府の動きに反発しないことについて、内需振興を進める必要があり、中小企業を支える必要がある。
- 経団連はグローバルで戦うときには企業間の協力や政府との連携が必要となるのであった方が良い。だけれども、序列などはなくして事由にするべき。
景気回復、デフレ脱却などいろいろなかけ声の下でさまざまな施策が実施されていますが、企業と政府が一体化するような不思議な状況だなぁと最近感じていました。銀行と政府の関係のような、ほとんどの大企業がそんな感じになっている様に見えていたのですが、そのことを言葉として認識できました。これだけのことを語られる柳井さんはやはりすごい方ですね。
PART8 解決編 エロマネーが支える「愉快ナル理想工場」異形の経営者の秘めた矜持
さいごはDMM.comです。これは、面白かった。日経ビジネスにモザイク?がかかったアダルトサイトの画像が出ているだけで正直感心しました。取り上げた日経ビジネスも偉いけれども、放っておけないくらいに多角展開で成功したDMM.comがすごいのでしょうかね。
「事業の寿命と会社の寿命は違うと思っています。事業の寿命は人間よりも短くて、たとえばDVDが売れなくなったら太陽光パネルを売らせる。ちゃんと商品知識を与えれば太陽光パネルもしっかり売ってきます。太陽光がだめなら次は何を売るか。働き場所を探してあげられるのが経営。新しい事業を探してどんどん『変態』していけば、会社の寿命は延びます。」
ソフトウェアの開発をしていると、ソフトウェアを構成する技術の変化にキャッチアップすることがつらいという話が出てきます。でも、これって営業さんも同じことで、扱う商材は時とともに変化する。それはたぶんどの業界でも同じなんだろうと思いました。
ちょっと長くなったのですが、今週の日経ビジネスはいいぞと言っておきたいと思います。